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例) 家族信託、相続対策、認知症

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Question
不動産を所有する親、祖母からの効率的な相続や不動産の活用についてのアドバイスをいただきたいです。

母がビルを所有しています。土地は祖母のものです。
近々、ビルの建て替えをしたいと思っているのですが、いろいろな悩みがあります。

理想的には私がローンを組んで建て替えをできるのがベストなのですが、億を超えるローンとなりますので、担保もない普通の会社員には難しいと考えています。

また、土地が祖母のものであるため、使用料を支払う必要があると聞いたことがあります。
効率的に資産をつなぐためにはどのような手段があるか、選択肢やメリット・デメリットを教えていただきたいです。

相続 > 相続対策 hi-r0-shi / 2022.02.15
Answer
荻野 恭弘  司法書士 愛知県

得意分野:家族信託コンサルティング 事業承継コンサルティング 資産承継コンサルティング

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荻野 恭弘  司法書士 愛知県

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効率的な資産のつなぎ方には家族信託借り入れを検討しましょう。

お母さまのお持ちのビルを建て替えて、お母さまの生活資金を確保し、かつ将来の遺留分や相続税という資金流出を乗り切りたいというご意向かと思料いたします。

効率的に資産をつなぐことと、ビルの建て替えはいわば「目的」と「手段」の関係です。
まず「目的」について対策を検討し、「手段」についてどんな手段がいいか決めていきましょう。目的を考えずに手段をあれこれ考えると道に迷うことが多いものです。

「目的(不動産の承継)」についての検討の順番は
①誰が何をいつ取得するか決める。
②現状、承継コストの支払い方を決める。
③そのコストを下げ方を決める。
が基本です。

①について祖母→母→質問者さんという承継ルートは明確になっているという前提(これが曖昧では検討はすすみません。)で、②承継コストは他の相続人がいれば遺留分を計算し、あと資産規模によっては相続税を試算します。現時点でこの二つの資金流出を賄えるかどうか確認します。現金で賄えそうであれば安泰です。賄えないのであれば対策が必要になります。③のコストを下げることは、いわば非常対策ですので①②が確定した後に考えることになります。このように「目的(不動産の承継)」についての対策を検討した上で、「手段(不動産の有効活用)」の方法を考えるといいでしょう。

さて、ここでは残念ながら「賄えない」という仮定で話を進めます。「賄えない」場合、現金を確保する必要があります。方向性としては
1.家族でお金を貯める(貯まらないリスクがある。貯まらなければ承継時点で借り入れをしたり、最悪不動産を手放して換金する。)
2.質問者さんが今の時点で金融機関から借り入れして祖母・母から不動産の買い取りをする(譲渡所得税という資金流出がある)の二つです。
これは「雰囲気」ではなくしっかりシミュレーションしてリスクを把握して選択しましょう。

さて、ここでは「1」でいこうという仮定で話を進めます。「2」の方法はやはり資金流出が大きく採用しづらいという理由です。

お金を貯めるための「手段(不動産の有効活用)」についての検討の順番は
①誰が事業の当事者になるか
②誰が資産・負債の保有者・負担者になるか
③①②が最終的に確実に同じ人になる方法は何か
が基本です。

①一般的には有効活用は知力も体力も必要ですので、高齢の祖母や母よりも若い質問者さんが当事者になったほうがよいでしょう。しかし単純に質問者さんが当事者になって借入をするとこれは相続時の債務になりませんね。相続時の債務にできると遺留分や相続税が減少する可能性が高まります。
お金を「家族で貯める」にしても、ゴールは低い方がよいものです。ここでは相続時の債務を承継コストを下げることに利用できないか検討したいところですね。
②そこで、質問者さんが祖母・母から財産の信託を受けて(資産の保有者になって)、借入をすることとします。これによって、事業の当事者と資産の保有者は質問者さんが引き受けつつ、借入債務は祖母・母の相続時の債務とみなされて、基本的に相続税が減少する可能性が高まります(ただ返済がすすんでいくのでまた増えてはいきます。)。
また仮に遺留分の侵害があったとしても、祖母・母が連帯債務者になることで遺留分侵害額も減少していくと考えられます。
③信託契約において信託終了時には質問者さんが資産・負債を取得・負担すると決めておけば金融機関からの借り入れもスムーズに運びます。

このような信託での借入による建物を建築することによって、家族の収入は増え、相続時のコストも下げつつ、質問者様に資産が承継されます。
もちろん、このストーリーは仮定が多いので、一度じっくりと専門家に相談されることをお勧めいたします。

以上、不動産承継と活用の考え方の一例でした。

回答No.1    2022.02.20 20:53


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