ビジネス雑誌で、生前贈与が厳しくなるという記事を目にしました。具体的には何がどう変わるのでしょうか。今からできる対策はありますか。
相続 > 生前贈与 カッパ / 2022.02.17従前、一定の富裕層が、相続税と贈与税のそれぞれの実効税率の差を活用して、贈与を戦略的にすることで、相続税の節税をしてきました。
ここに「資産移転時期の選択に中立的な税制の構築」を目的にメスを入れようと、現在国が相続税と贈与税の税制改正を検討しているようです。
以下は、令和4年度税制改正大綱からの抜粋です。
第一 令和4年度税制改正の基本的考え方
2.経済社会の構造変化を踏まえた税制の見直し
(2)相続税・贈与税のありかた
(中略)
わが国では、相続税と贈与税が別個の税体系として存在しており、贈与税は、相続税の累進回避を防止する観点から高い税率が設定されている。このため、将来の相続財産が比較的少ない層にとっては、生前贈与に対し抑制的に働いている面がある一方で、相当に高額な相続財産を有する層にとっては、財産の分割贈与を通じて相続税累進負担を回避しながら多額の財産を移転することが可能となっている。
今後、諸外国の制度も参考にしつつ、相続税と贈与税をより一体的にとらえて課税する観点から、現行の相続時精算課税制度と暦年課税制度の在り方を見直すなど、格差の固定化防止等の観点を踏まえながら、資産移転時期の選択に中立的な税制の構築に向けて、本格的な検討を進める。
あわせて、経済対策として現在講じられている贈与税の非課税措置は、限度額の範囲内では家族内における資産の移転に対して何らの税負担も求めない制度となっていることから、そのあり方について、格差の固定化防止等の観点を踏まえ、不断の見直しを行っていく必要がある。
(以上)
結局今回は改正には至りませんでしたが、いつ改正されてもおかしくない熱気が伝わってきます。
内容としては、
①相続税と贈与税の一体課税
②贈与の持戻し期間の拡大(3年から〇年に)
③贈与の基礎控除枠(毎年110万円)の撤廃
など、いろいろ検討されている、という話をよく聞きます。
実際に改正された場合、すぐには施行されずに、施行まで少し時間をおくこともありますので、今の税制のうちにやれることをやっておくのはよいと思います。
回答No.1 2022.03.27 16:42