最近、話題になることの多い家族信託の仕組みですが、
親が認知症になったときにできなくなる、具体的なことを教えてください。
例えば全て現金で資産を持っている場合については問題ないものなのでしょうか。
また「投資信託の売却ができない」とお聞きしたのですが、証券会社ではどのような理由で断られてしまい、なぜそれを解決できないのでしょうか。
財産はもっているだけでは意味がありませんよね。
現金もまたしかり。
財産は「使って」初めて意味があります。
さて「何に使うか」ですが、使い方には二つの種類があります。
食べ物を買ったり、服を買ったり、医者にかかったり、高齢者の方であれば、介護を受けたりという生命維持に必要となるような「消費」もあれば、不動産を買ったり、株を買ったり、車を買ったりという、生活をよりよくするためにする「投資」のようなお金を使いかたがありますね。
前者は現金があればあまり問題にならないと思いますが、後者は現金があっても負担やリスクも伴うものであるのでやはり、認知症の方がそのような取引をするには無理があります。
家族信託で現金を家族間で信託して、高齢者の方がもっている財産を使えるようにすることが最近話題なのは、仮に認知症になったとしても自分の生活をよりよくしたいというご要望があるからです。
また、財産が現金だけという方はあまり多くありませんよね。
不動産や株なども、のちのち「必要に応じて現金にしていく」ということも、よりよい生活のために必要なことなのです。
というわけで、生命維持に必要なことはまあ現金があればなんとかなりますが、それは健康で文化的な最低限度の生活というレベル感であって、財産をお持ちの方の望むところではない。自分がどんな状態になっても財産を使ってよりよい生活をするため、「働く財産」ともいえる「資産」にするには家族信託が必要なのです。
御所問の「投資信託の売却ができない」ということも、上記の通り、リスクが伴う行為ですからやはり認知症になった状態ではできないことに入ると解釈されます。
いままで曖昧だった認知症に対する金融機関などの対応がここ数年で各段に厳しくなっています。家族信託や成年後見という「制度」がなかった時代はしょうがありませんが、あるのに使わないことはもう認められないということだと思います。
これも時流だと考えてうまく活用する方法を見出していきましょう。
回答No.1 2022.03.21 10:28