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Question
アパートを相続放棄したほうがいい?

アパートを相続したくない場合、放棄したほうがいいか悩んでいます。
相続税対策で母方の祖父が建てたアパートがあり、母は相続税をほとんど払わずに済んだようです。将来私たち兄弟が相続する際にはアパートのローンが残っており相続放棄も考えています。もし相続してもその後のアパートのローンも背負うのが心配ですし維持費や固定資産税など負担が重そうなのでできれば手放したいと思っています。ローンは1億ほど残っているようです。やはりローンやコストを負いたくない場合は相続放棄でしょうか。何かいい方法があれば教えてほしいです。

相続 > 不動産活用 tetsu / 2022.04.08
Answer
鈴木 敏起  司法書士 東京都

得意分野:家族信託×財務コンサルティング、おひとりさまライフコンサルティング、資産承継コンサルティング

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アパートの今後の事業性やキャッシュフローを見ましょう

祖父様はそもそも、なぜ多額のローンを組んで収益不動産を建築し、賃貸事業に乗り出したのでしょうか。

ア)相続税対策になると、銀行やハウスメーカーから言われたから
イ)不動産市場調査をきちんと行い、将来性とキャッシュフローを見て、事業として成立すると考えから
これらのいずれでしょうか?

ア)を理由としたときは、今後の事業性やキャッシュフローに大きな不安がある可能性があります。たとえば、相続税の節税ばかりに目が行き、不動産市場にそぐわない規模の建物を建築し、そのために大きなローンを組んだとなると、空き室の増加や、経費計上できる項目の減少により、キャッシュフローが著しく悪くなる可能性があります。

空き室の増加により、そもそも年間の家賃収入でローンの返済や固定資産税の支払などの経費を賄えない、というのは論外です。
また、元利均等返済の方法をとった場合、時間の経過により経費計上できる利息は減っていき、かつ、同じく経費計上できる減価償却費もなくなったとき、元金の返済でキャッシュは出ていくのに、利益は出ているので所得税の負担が重くのしかかるという事態も、不健全なキャッシュフローの典型です。

逆に、祖父様がイ)の目線で、次世代まで承継すべき優良な賃貸事業を構築したとのであれば、ローン残高という目先の数字よりも、その事業を健全に承継していくことが、祖父様・母様・ご相談者様の3代にわたる真の「相続」と言えると思います。

まずは、ご相談者様が、アパート事業の現状と今後の見通しを、母様と一緒に把握することが重要です。場合によっては、ご相談者様がアパート事業を生前に承継し、アパート事業の当事者となることも検討されます。
アパート建物を母様より買い取ったり、贈与を受けたりする方法以外にも、家族信託により、不動産の管理処分権のみを譲り受け、不要な課税を受けることなく事業承継をはかることもできます。

ぜひ、専門家に一度ご相談ください。

回答No.1    2022.04.10 18:22


荻野 恭弘  司法書士 愛知県

得意分野:家族信託コンサルティング 事業承継コンサルティング 資産承継コンサルティング

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まずは「計算」を。

相談者さんのお悩みは将来の資産継承が「凶と出るかも」ということだと思います。
資産は、お母さまのローン付きアパート。
これを将来において相続した場合の相続税支払、その後の資金収支を試算しましょう。
「計算」で漠然とした不安の正体を知るということです。

現金や生命保険金が有り余るほどあればこんな不安はありません。
それがないので不安になります。
不安とは、現在地と目的地の距離と角度が見えていないので生じます。

「1億円の借金を返済する」
これは不安を呼びます。
まずは、この1億円に加えて、小さな修繕費や固定資産税とさらに資産の稼ぐ力を増加させる大規模修繕費用を含めた真の負債をデータで把握しましょう。そして、現状の金融資産と収入をデータで把握し将来の支払い能力を予測してみます。その真の負債と将来の支払い能力のデータに対してそれでも不安を抱くかどうか。やはり、不安を抱くとしたら、現時点でお母さまとその感情を共有して今検討できる別の対策を一緒に考える、ということがセオリーです。

さて、相続が発生してからローン付きアパートのような大きな資産を相続放棄(民法上の相続放棄です。家庭裁判所に申述して行うものです。)をするとなると、それは他の親族にも迷惑がかかる可能性があり、あまり現実的ではありません。先ほど触れたように今、実行できる現実的な対策を考えるべきでしょう。
(「限定承認」という放棄と相続の良いとこどりの民法の制度もありますが、家庭裁判所の割と複雑な手続きがあり、不動産がある場合にはみなし譲渡所得税が発生する可能性もあり、検討すべき対策としては別の機会にご説明したいと思います。)

とはいえ、大事な資産を売却するなど大胆な対策になると思います。
これは、即時に家族で合意形成できるものではありません。
他方でお母さまのご年齢次第では認知症等り患の危険もあり、そうなると事前の対策は
何も取れなくなります。
ですので、家族信託を利用して、生前対策も臨機応変にできるようにしておくことをお勧めいたします。

これによって、家族間で納得のいくかつ現実的な対策をとることができると思います。

回答No.2    2022.04.10 12:09


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