相続対策に親が協力的でないのですが、今からできる方法は何かないかと考えています。
今父は78歳です。母は施設に入っています。父が施設に入った後、父の名義の実家を売買せず貸家にすることで、いざ父が他界し家を売るとなったときに税制面でメリットがありますか?
家族構成は父、母、子どもは私を含め3人です。
相続対策には
①相続税対策と相続対策があり似て非なるものです。
②税金を払えるか、安く抑えられるか、その対策が相続税対策
上手に分けられるか、争いにならないか、その対策が相続対策
相談者さんは、相続税が結構かかるので①をしたいという前提でお話を進めます。
お父様の実家を貸家にするのは家計の収益向上という意味はあります。相続税対策ではなく生活向上対策ですね。
他方でお父様の相続時に評価を下げて相続税を安くしたいという相続税対策はどうでしょうか。
「貸家建付地評価(減)」という制度があります。
相続開始前の3年前からお父様が第三者に貸している建物の敷地は200㎡まで評価額が半分になるという効果が得られます。
国税庁HP
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1373.htm
建物の評価は30%減になります。
以上が相続時の税制上のメリットという点の回答です。
では、相続後にこれを売るときにはどうでしょうか。
貸家にしていることがメリットを享受できるということはないと思います。
ついでに触れておきます。
心配なのはお父様が施設に入った場合に、自宅が売却・賃貸等処分できるかどうか。
これらの行為には意思能力が必要です。
このような選択肢があるのであれば、お父様が相談者様に家族信託で実家の名義を移しておくのが安全でよいでしょう。
回答No.1 2022.04.17 11:54