自筆証書遺言よりも家族信託の方が優先と聞きましたが、公正証書遺言だとしても家族信託の方が優先なのでしょうか。それとも、そういった違いではなく時期の違いにより優先度が変わりますか?
相続 > 遺言 松本 / 2022.04.181.遺言を先に書いた場合
遺言を書いても、対象財産の所有権が移転するのは相続時です。
したがって、対象財産を家族信託契約の目的とすれば(信託財産とすれば)、これにより受託者に信託譲渡(所有権の移転)されるため、すでに書いた遺言のうち、対象財産に関する条項の効果はなくなります。
遺言が自筆証書であろうが、公正証書であろうが、後からした信託契約が優先されます。
2.家族信託を先に処方した場合
対象財産に家族信託を先に処方すると、受託者に信託譲渡(所有権の移転)される結果、委託者の固有財産ではなくなります。
その結果、その財産について、遺言で遺贈先を決めても、遺言の効果は及びません。遺言は、原則として遺言者(委託者)の固有財産に対して射程とするためです。
この場合、遺言を書いたとしても、先にされた家族信託が優先されることになります。
ただし、遺言の対象を、信託の受益権とする場合には、遺言の効果が家族信託に及ぶことになります。
遺言は信託財産そのものには作用しませんが、受益権の遺贈先を遺言で指定することで、結果的に、信託終了時の残余財産の帰属先をコントロールすることができる場合があります。
専門家と相談しながら、遺言と信託の複合提案をご検討ください。
回答No.1 2022.04.18 20:26
遺言書(自筆も公正証書も同じです。)と遺言書代用機能付き家族信託(遺言代用信託)に意味の違いはありません。
作成された先後で優劣が決まります。
回答No.2 2022.04.18 16:13